市P協 いじめ防止委員会 第1回 勉強会

第1回 勉強会(平成22年9月30日)
テーマ : 「気になる子どもへの理解と支援」
講 師 : 福岡市立特別支援学校「博多高等学園」 校長 森 孝一先生

学校でのふるまいや勉強の遅れなどが気になる子どもたちは、どれくらい存在するのだろうか。統計的には、約6.3%。16人に1人といわれている。では、障がいがあるかどうかは、どこで判断されるのか。実は明確な基準があるわけではない。ボーダーは、「子ども本人が困っているかどうか」。

発達障がいには、聴く・話す・読む・書くといった学習面に特異的な困難を抱える「LD(学習障がい)」。不注意・多動性・衝動性の「ADHD」。社会性・想像力・こだわりに特徴を持つ「自閉症」などがある。いずれの障がいとも、一見して、わかりにくい障がいだ。しかし本人にとってみれば、一生懸命やっても、わからない。できない。また自分をフィードバックする力が弱いため、同じまちがいを繰り返す。そのうえ、「理解されない」という別の苦しみをも伴いがち。この理解不足が、不登校や離席、暴言といった、二次障がいの原因となってゆく。

こうした子ども達に共通しているのは、自尊感情の低下。「自分はダメな人間」「周囲に嫌われている」「将来、生きていられない」と思いこんでしまう。だからこそ、「○○先生がついているんだ」といった、心の支えが必要。

理解不足とともに、二次障がいの原因となるのが、不適切な対応や言葉だ。「どうしてちゃんとできないの!」「ぐずぐずしないで早くして!」「何回いえばわかるの!」「勉強しないとお父さんみたいになるよ!」などといった言葉が、自信喪失や疎外感を招く。

支援のコツは、

  1. 頭ごなしに叱らないこと 
  2. わかりやすく伝えること 
  3. 達成可能な目標を決めて取り組ませること(例えば、「悪口を言わない」ではなく、「死ね、キモイと言わない」など具体的な目標を設定してあげるなど) 
  4. ほめ方を工夫すること(言葉+目に見えるごほうびを用意するなど) 
  5. 気持ちをコントロールする方法を教えること

しかし、本当は誰にでも「苦手なこと」はある。「あなたは障がい者」「私は健常者」ではなく、一人一人に必要な支援があるはずだ。障がいとは、理解と支援を必要とする「個性」にすぎない。我々もまた全員、老いていき、いつかは何らかの障がいを持つことになる。

これからは、障がい者、健常者の障壁をなくした、教育のユニバーサルデザイン化をめざしたい。勉強が遅れたら丁寧に教えてくれる場。気持ちが落ち着く場。理解してくれる友達は、誰にとっても必要なのだから。