福岡市PTA協議会 主催 PTA啓発研修大会
平成25年12月25日 アクロス福岡シンフォニーホール
東日本大震災の「復興支援」をとおして、子どもたちに必要な仲間意識や人権意識について考えようと、リレートーク形式で発表がありました。
研修会内容
- コーディネーター
- 文部科学省生涯学習政策局社会教育課
地域・学校連携推進室 連携支援係長
熊切 隆 氏
仙台市立富沢中学校
校長 庄子 修 先生
福岡市PTA協議会被災地(仙台市)視察報告
福岡市生徒発表「被災地について思うこと」
福岡市立梅林中学校 2年 中島尚仁さん
福岡市立箱崎中学校 3年 木下綾華さん
福岡市の生徒を代表して梅林中学校の中島さんが、「長田先生の講演会を聞いて衝撃をうけた。震災後の不自由な生活、現状を知らなかった。今の生活は当たり前でない、生きることが大事と考えさせられた」と発表。箱崎中学校の木下さんは、「ニュースを見て驚いた。呆然とするだけだった。今後は陰ながら支えてくれている仲間に感謝する心、人を思う心をしっかりと後世に受け継ぎたい」。
講話「3.11学校と生徒」
仙台市立富沢中学校 校長 庄子 修 先生
「今日の福岡市の生徒の発表をきいてたのもしく思った。中学生は担い手であり宝物。遠くの方々からの支援は励みになる」と述べ、続いて、震災当時の学校と生徒の様子について語られた。
「病院でもないのに学校に次々と人が運ばれて来て、その状況をただ受け入れるしかなかった。行政をたよることもできず、様々なことを教員がやり、中学生もよく働いてくれた。今、被災地は、瓦礫が撤収されただけで、まだ10万を超える人々が仮設住宅暮らしを余儀なくされている。今やらなければならないことは、防災教育、自分に何ができるか考え生き抜く力、社会貢献への意識づけ、語り部、復興へ向けて自分たちで立つこと」。
仙台市生徒発表「復興へ、今私たちにできること」
- 仙台市立富沢中学校
- 3年 小野寺菜月さん 庄司梨乃さん
2年 髙相義忠さん 佐藤晴彦さん - 講評
- 国立教育政策研究所 生徒指導・進路指導研究センター
総括研究官 長田 徹氏 (文部科学省初等中等教育局教科書調査官)
講話「3.11学校と生徒」
これをうけて仙台市立富沢中学校 校長 庄子修先生が、「生徒の発表をきいてたのもしく思った。中学生は担い手であり宝物。遠くの方々からの支援は励みになる」と述べ、続いて、震災当時の学校と生徒の様子について語られた。
「病院でもないのに学校に次々と人が運ばれて来て、その状況をただ受け入れるしかなかった。行政をたよることもできず、様々なことを教員がやった。中学生もよく働いてくれた。今、被災地は、瓦礫が撤収されただけで、まだ10万を超える人々が仮設住宅暮らしを余儀なくされている。今やらなければならないことは、防災教育、自分に何ができるか考え生き抜く力、社会貢献への意識づけ、語り部、復興へ向けて自分たちで立つこと」。
生徒発表「復興へ、今私たちにできること」
東日本大地震によって,大好きな街が傷ついたと実感した。自分に何ができるのか?暗闇の中、思いだけが募っていった。故郷の復興に向けて自らの手で何か活動していきたいという想いから故郷復興プロジェクトが始まった。
仙台市立の全小中学校の児童生徒が、大震災からの復興を願い描いた応援旗189枚が仙台商店街に飾られた。コインアートを作成し、お金は義援金として募金。しだれ桜の植樹を行った。平成24年度は支援活動の写真でモザイクアートを作成。平成25年度は小中学生が復興の思いや願いをこめた折鶴8万羽を仙台七夕まつりで披露。市内の児童生徒から歌詞を募集して復興ソングを作った。助け合った地域の輪を大切にしたいという思いから、ボランティア活動等の活性化を図り、花の植えつけをして地域の様々な施設にプランターを送った。
将来を担う世代として、故郷の再生、そして支えていく自覚をもちたい。笑顔で前に歩んでいけるように、感じているものを大切にしていきたい。
最後に復興ソング「仲間とともに」を庄司梨乃さんが披露。
講評
子どもたちの受けた傷や不安な気持ちは思ったより深く今後のケアが重要。
震災時、学校を核にして、PTAと地域がチームを組み避難所の支援を行った。学校・地域の絆の大切さを実感した。子どもたちが地域の人々に感謝を伝えるため『復興より福興』とランドセルに書いて登校する姿に、生きる希望や勇気をもらった。子どもたちの喜び感動の笑顔に今日も頑張ろうとエネルギーをもらっている。子どもから学ぶことは恥ずかしいことではない。
講演後のアンケート
小学生・児童
- 被災した人たちが今、自分たちにできることは何かを考えて行動していたところにとても感動した。改めて『絆』の大切さを感じた。
- あらためて、震災が起きたことの爪痕の大きさ、復興に向かって頑張っている子どもたちの姿をみて、絶対に風化させてはいけないと思いました。
中学校・生徒
- 「今のあたりまえ」は、「今のきせき」と考え直さないといけないと思いました。
- 同じ中学生と思えない程、素晴らしい発表だと思いました。歌をきいているとき、目に涙がたまりました。本当に感動しました。
保護者
- 感じたら動け、生かされている者の使命…心に残りました。
- 中学生が復興の担い手になっていることにとても感動しました。
- 親子で参加しましたが、復興について考えるよい機会になりました。「あたり前ではない」日々の生活をそう思い感謝する事、何ができるのか、また、家に帰って子どもと話し合って、実行していかなければと強く感じました。
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