日 時 : 平成21年7月15日(水)
場 所 : 少年科学文化会館ホール
講 師 : 子どもの睡眠と発達医療センター 所長 三池 輝久 氏
演 題 : 『子どもが伸びる睡眠とは』-子どもの睡眠と発達:眠育の重要性-
福岡市教育委員会・福岡市PTA協議会との共催により、平成21年度 早寝・早起き・朝ごはん 啓発講演会が行われました。
三池氏は「まず子どもの睡眠時間を知ることが大事」と話され、朝起きたときに睡眠が足りているかどうかが問題であり、睡眠は量ではなく質が大切だと話されました。
また睡眠は、「脳の働きを守り育てる」ために作られたと考えられており、『幼児期からの睡眠教育=眠育』は子どもたちの健康を守ることにつながると言われ、睡眠不足の脳では朝食を受け付けようとしないため、子どもに十分な睡眠をとらせることが食育にもつながるのだそうです。
そして睡眠不足状態が慢性化することによって、脳の働きが低下し、集中力や意欲の低下・落ち着きのなさなどが出現するようになり、不登校などの背景にはこの慢性的な睡眠不足が大きく関係しているとのことでした。
三池氏が話された『夜8時に就寝して朝4時に起き、勉強をし、朝食をとって学校へ行く』という理想の生活リズムについて、会場からの「数日間続けることでできるようになりますか?」との質問に、三池氏は「眠らないにしても、部屋を暗くして家族全員で取り組むことが大切です」と言われ、「子どもが本来もっている能力を十分発揮できるような眠り(脳機能を抑制しない眠り)がよい眠り」と話されました。
「早寝・早起き・朝ごはん」は当たり前のことのようですが、現代社会では大人も子どもも忙しく、すべてをやろうとしてもなかなか難しいのではないかと思います。
それぞれのご家庭でどれか1つでも『これだけは続けよう』と話し合い、家族みんなが心身ともに健康に過ごすために取り組んでみてはいかがでしょうか。