企画表題:食は命…小・中・地域の皆で考えよう
担当責任者:担当副会長 森永 三貴
実施期間:
平成22年10月12日(火)…第1回 弁当の日
平成22年11月15日(月)…第2回 弁当の日
平成22年12月17日(金)…内田美智子先生 講演会
参加人数:2学年生徒258人 教員15人 中学校保護者110人 小学校保護者・地域からの参加38人 合計421人
活動内容
目的
- 『命の尊さ』を、学び、考える場として講演会を実施し、学校・小・中の保護者・地域で共通の意識をもち、日々の生活で各自が実践する。また、講演会を恒例化することで、意識レベルを一定に保つ。
- 生徒たちが、自らの力で弁当をつくることにより、『つくり手への感謝・食べ物への感謝・給食への感謝・感性の成長・人から感謝されることの喜び・つくる喜び・みんなで食べる楽しさ(団欒)・創作工夫する意欲・食欲増進・命の原点…』などを学び、感じる。
活動内容
講演会
事前準備
- 学校の日程と講師(内田先生)の日程調整(3月末)
- 4つの小学校(内浜中学校校区)のPTA役員に日程のお知らせ(6月末)
- 西区中学校にPTA担当副会長を通じて日程のお知らせとポスター掲示依頼(10月)
- 4つの小学校にポスター掲示依頼と小中学校に講演会開催プリントを全校配布(11月)
- 4つの小学校のPTA役員に『弁当の日』の見学と講演会の内容説明(11月)
- 6つの公民館(内浜中学校校区と近隣の公民館)にポスター掲示依頼(11月)
- 近隣企業・商店・病院・コンビニなど(100ケ所程度)にポスター掲示依頼(11月末)
- 養護教員の先生と当日の打合せ
- 元PTA役員に参加の呼びかけ
講演会
演題:『思春期を生きるあなたたちへ』
日時:平成22年12月17日 10時~12時
場所:内浜中学校
講師:内田 美智子先生
講演内容概略 〈随時スライド上映あり〉
第1部~2学年生徒と大人たちへ
ご自身の体験や世界の現状のスライドを上映し、「いかなる命にも存在そのものに価値があり、当たり前なことなど何一つない。自分の命は自分のものだが、自分だけのものではない。いまの私たちの環境は大変恵まれている。世界では自由に生きる権利を奪われている人たちもたくさんいる。自分がどんな大人になりたいかを考え、なりたい大人になれる努力をすることが、いまのあなたたちの生きる道ではないか」と語り「素敵な大人とは自立した大人のことであり、自立とは、健康を自分で守ることができ、経済的に自立し、生きがいをもち、家事ができることだ。いまの自分を見直し格好いい大人なろう」と諭す。
第2部~大人たちへ
「いずれ先立つものとして、どんなことがあってもくじけない子ども、自立した子を育てなくてはいけないが、はたしてそれができているか?」と問いかけ、いまの大学生の食生活の現状をスライドで上映し、お菓子生活が当たり前の子どもが激増している事実に警鐘をならす。すなわち、いまこそ、子どもに食の基本的知識と技術・さらに感謝の心を教えることが、いかに重要で私たちの義務かを知る。
最後に「思春期の子どもたちは、何を考えているかわからない、話もしないと、悩む人もいるが、子どもの本質は何もかわっていない。心から愛して育てた子どもだから、自信をもって接してほしい」とエールで講演を締めくくった。
弁当の日(計画から実行に至るまで、全てを学校側にしていただいた)
事前準備
- 夏休みの自由課題(教頭先生より)として、弁当づくりの練習
- 『べんとう通信』と題し、弁当づくりの感想や写真を載せてプリントを配布
- 家庭環境や料理の腕前にあわせて、4コース選択性を採用
- 生徒や保護者が実行しやすい日程を設定
実施
第1回 弁当の日 10月12日 実施
第2回 弁当の日 11月15日 実施
家庭への報告
『うちはま通信』という全校配布のプリント(教頭先生より)で弁当の日の様子を掲載
PTAでは、各学年委員会だよりで当日の様子を掲載
成果と課題
~成果~
講演会
☆アンケート結果…総計115名分(保護者90名・その他25名)
その内《内田先生の講演会に参加するのが、2回目以上》は28名(24%)という結果になった。
感想(抜粋)
- 先生の本を読み仕事を休んで参加。来た甲斐があった。
- 地域の子育て支援をしているので、若いお母さんにも伝えていきたい。
- 小学生のわが子にも聞かせたい。
- 「弁当の日」は面倒だと思っていたが、考えが変わった。
- 昨年、先生の話を聞いて以来、子どもの寝顔を毎日みている。
- 親に頼らず家事ができるようにしつけたい。
- 自分の母親の素すばらしさを認識した。
- ぜひ、自分の校区でも講演してほしい。
- また来年も参加したい。
集計者の感想
ほとんどの方が、アンケートの記入があった。2回目以上参加の人も多く、また来年も聞きたいという声が多かった。
「ありがとうございます」と書いた人が多かったのが印象的。他の校区や、地域で子育て支援している方も熱心に参加されていた。先生の言葉に勇気をいただいたかたも多かった。次回講演への期待感が伝わってきた。
生徒の感想文を読んで
先生のメッセージがしっかり伝わったことが、よく分かる感想文がばかりだった。生徒たちの純粋な魂が、大きく揺さぶられたのを感じた。みんな「自分自身のこと、家族のこと、世界中の人のこと、生まれたときのこと、これからのこと、自分がしなくてはいけないこと、なりたい自分」など、心で感じ、素直に受け止め、まじめに考えるきっかけとなったと実感した。
弁当の日
生徒の感想(抜粋)
- とても難しかった。お母さんはすごいと思った。
- 次はお母さんより上手にできるようにがんばる。
- 想像以上に時間がかかった。大変だったが、楽しかった。
- 苦労した分おいしかった。よくできたと思った。
- 買い物から料理して、大変だとわかったが、またやりたい。
- 自分でつくって食べたらおいしかったので、とてもうれしかった。全部1人でつくれるようにがんばりたい。
保護者のコメント
- 流れを一緒に教えながら、楽しい時間を過ごすことができた。食育を感じた弁当づくりだった。
- 大変美味しくできて驚いた。一生懸命つくり上げたときはとても満足そうで見ていてうれしくなった。心のこもった手づくり弁当はとてもおいしかった。
- おじいさんおばあさんに感謝の気持ちをこめてサンドイッチをつくってくれた。はじめてのことで大変うれしかった。
- 帰省して祖母から料理を習い、いとこも参加して弁当をつくった。楽しく弁当づくりができていい思いでができた。
課題
本校では、内田先生の講演会を3年連続で開催している。3年間とも携わったが、今回は「年1回の内田先生の講演会が、内浜校区全体に浸透し始めている」と実感した。多数の保護者や地域の方が、来年度からも継続的開催を期待してくださっていることもよくわかった。このことを踏まえ、来年度も内田先生の講演会を企画し、もっと地域との連絡を充実させ、しっかり広報活動する必要があると思う。
さらに、今年度から学校が「弁当の日」を実施してくださったことで、保護者の意識も格段にあがった。丁寧なプリントの配布や、準備段階があったことで、保護者も生徒も自然体でスムーズに取り組めたと思う。また校長先生をはじめ、先生方も一緒に弁当づくりをしてくださったことで、学校全体で盛り上がった。昨年度からの課題であった、“学校と協力して、実際に食に関わる取り組みができる機会をつくること”が達成できたと思う。今後も、学校としっかり連携していくことが必須課題と思う。